犬の骨折、消化器系、呼吸器系、皮膚病

犬の骨折、消化器系、呼吸器系、皮膚病


 

犬を飼うこと

 

コロナウイルスが蔓延し在宅勤務やプライベートでの外出自粛。
今日では所謂

 

「おうち時間」

 

が増えたことをきっかけにペットと暮らすことを決意する人たちが増えています。

 

猫も気まぐれなところやしなやかな動きが魅力的ですが犬の愛嬌満点なところも日々のストレスを癒してくれます。
犬では特にトイプードルやチワワといった室内でも一緒に暮らしやすい小型犬が人気です。

 

ですが動物は可愛いという気持ちだけでは飼えません。
トイレを失敗することもありますしそうしたらその場を綺麗に掃除もしなくてはいけません。

 

当然一生面倒をみることが義務ですからその過程で犬の病気にも直面します。

 

予め犬の病気にはどんなものがあるのか知っておくとすぐに異変にも気づけます。
大切な愛犬のためにどんな病気があるか知識を増やしていきましょう。

 

 

[骨折]

 

骨折は人間でもある皆さんご存じのあの骨折です。
特に小型犬の場合体が小さいため大型犬に比べると骨も細いです。

 

ジャンプして着地をした拍子などなんらかの衝撃でなってしまいます。
1歳未満の成長している最中の子犬も折れてしまうことがあります。

 

はしゃぎすぎて高い位置にのぼって頻繁にジャンプしがちな子は特に注意ですね。

 

対策としては高い位置にのぼれないようにする、危険がないか注意して見守るなど愛犬への負担をできるだけ減らすことも重要です。
ソファから飛び降りてしまう子は犬専用の上り下りできる階段をつけると良いでしょう。

 

[消化器系の病気]

 

食べたものが通過する消化器はデリケートです。
大型犬の消化管は体重の3.1%小中型犬の消化管の6〜7%に比べ小さいのが特徴です。

 

環境が変わったり負担のあることが起きるなど少しのストレスで吐いてしまう、便が柔らかくなったり時には下痢をしてしまうことも。
お米やお肉など犬も食べても平気なものでもあげすぎてしまうと健康的な便が出ないことがありますのでそういった食べ物も原因の1つとしてあげられます。

 

嘔吐と下痢は消化器系の病気の2大症状です。
嘔吐とは食べたものを口から強く輩出することです。

 

また同じように口から食べ物を排出する吐出というものがあります。
この二つの何が違うのか?

 

実は吐いたものにも違いがあるのです。
嘔吐はある程度消化されたものが出てきます。

 


 

吐出は食道から吐き出されるので嘔吐とは逆に消化されていないものが出てきます。
また、吐き方にも違いがあります。

 

嘔吐は下を向いて吐き出しますが吐出は力強く前に飛ばすように吐き出します。
治療法もそれぞれ違うため、吐き出したものや吐き方を飼い主がきちんと観察しましょう。

 

嘔吐した際は、

 

  1. どれくらい前から始まっていたか(症状が出ている期間)
  2. 過去の病歴と嘔吐の主な特徴
  3. 環境と与えている食べ物・他の症状はあるか
  4. 食べてからどの位で吐き出したか・嘔吐物はどのようなものか(血は混じっていないかなど)
  5. 嘔吐する頻度

 

などを記録し医師に伝えましょう。
では下痢は?

 

まず下痢を起こした原因を考えてみましょう。
生活環境が変わった、知らない人が来た、食べ物を与えすぎた、いつもより多めの運動量をしたなど普段と違うことがあった場合それらが原因と疑われます。

 

しかしいつも通りで心当たりがないならば寄生虫や伝染病などなんらかの病気にかかっている可能性があります。
持病をもつ子ならその持病が原因で下痢をしている可能性もあります

 

[呼吸器系の病気]

 

呼吸が苦しくなる状態のことを呼吸困難といいます。
呼吸困難の原因となる病気は心臓が原因の場合もありますが主に咽頭、気管、気管支、肺(肺胞)の4つの病気に分類されます。

 

その他貧血、熱射病、日射病、頭部の外傷、1部の中毒、胸に空気がたまる気胸などといったことが原因で呼吸困難を起こします。

 

愛犬が呼吸困難になったらまずは速やかに動物病院に連絡して指示を仰ぎましょう。
その他もし余裕があるならば窓を開けて風通しをよくし、喚起の良い場所で安静にさせることも少しでも楽にさせてあげられることの1つです。

 

 

[感染症]

 

犬の病気はいつどこでもらってくるか。

 

犬同士でじゃれあったり喧嘩するなどして感染する直接感染、感染犬が使ったゲージ・食器・シーツなどを使用して感染する間接感染、散歩した時感染犬の便を嗅ぐことで移るなどの感染経路があります。

 

感染犬のくしゃみの飛沫を吸い込んだり排泄物に触れて感染するジステンパー
ジステンパーと同じ経路で感染し、短い乾いた咳や微熱、何かが喉につかえているような咳をする症状をみせるケンネルコフ

 

犬コロナウイルスに感染した子の嘔吐物や便に接触することにより小腸でウイルスが増殖し腸炎を起こすコロナウイルス性腸炎など様々なウイルスがあります。
ウイルスは目に見えないため、散歩中や他所の犬と触れ合う機会がある時は特に注意が必要です。

 

[皮膚病]

 

突然体を痒がるしぐさを見せるようになった、なんてことも少なくないはず。
それは皮膚病かもしれません。

 

特に多い病気で約50%は痒みを伴います。
痒がる時は嘗める、咬む、吸う、引っかくの動作をします。

 

痒がる部位によってこの動作も違いますが動作によって症状の程度も変わります。
痒がる原因は体の前の部分であればアレルギー、逆に体の後ろ側だとノミのアレルギー(寄生虫感染)と考えられます。

 

ノミアレルギーは皮膚病で最も多い原因です。稀に多数寄生していても痒がらない子もいます。
寄生虫によるものにはノキビダニというのがあります。これは健康的な動物にも寄生しますが子犬など免疫力が弱い動物にも寄生します。

 

愛犬が痒がるしぐさをしたらいつから痒がり始めたか、どこを痒がっているか、どんな時に痒がるか、季節で差はあるか、どの程度かなどチェックして医師に伝えましょう。

 

 


 

 

[愛犬の万が一に備えて]

 

人間と同じように犬の体にも何が起きるかわかりません。
突然体調が悪くなった時どうしよう!

 

と焦ってしまうことも・・・。
では犬の病気に備えて何を準備したらいいのか?

 

  1. 首輪/キャリーケース
  2. おむつ(マーキング癖のある子は特に必須)
  3. トイレシーツ
  4. ビニール袋
  5. 犬の保険証
  6. 服用している薬がある場合薬の名前が記載されているもの
  7. 通院中で普段とは違う病院に行く場合は直近の検査結果

 

初診の場合カルテを記入するため飼い主の氏名、住所、電話番号、緊急連絡先などわかるようにしておくと良いでしょう。
また、いつごろからどのような症状がでたか、食欲はあるか、便の調子はどうか(下痢をしている、便があまりでていない)など記録しておくと受付や獣医師に直ぐに伝えることができます。

 

[愛犬のためにできること]

 

愛する我が子が突然具合が悪くなるとどうしても焦ってしまうこともあります。
人間の言葉を話せないため痛いか、苦しいか、どんな感じがするかなど聞くこともできません。

 

専門家でない限り症状から犬の病気が何なのかわからなくて当然です。
そんなときの為に動物のお医者さんがいます。

 

「大したことなかったら恥ずかしいし大袈裟かな・・・」

 

なんて思わないでください。
寧ろ大袈裟ぐらいが丁度いいと私は思います。

 

実際うちの子も

 

「あれ、いつもと違うかも。あの病気だったらどうしよう」

 

と不安になり会社から帰宅して一息つく間もなくすぐ夜間もやっている緊急動物病院に連れていきました。

 

何もなかったらそれはそれでいいですし飼い主の安心材料にもなります。
少しでも長く一緒に生きていくには飼い主の接し方も重要です。

 

ただ可愛がるだけでなく飼い主として、親として、兄弟姉妹として思いやり、愛犬の一番の幸せを願っての選択をしていきましょう。

 

ご購読ありがとうございました。

 

今回のお話「犬の骨折、消化器系、呼吸器系、皮膚病」の続き記事へ

 

 


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