インスリノーマと言うすい臓がんで天国へ旅立った愛犬

インスリノーマと言うすい臓がんで天国に旅立った愛犬


 

はじめに

 

私は小学1年生の冬からゴールデンレトリバーを飼っていました。
しかし、私が中学1年の夏に病気で亡くなってしまいました。

 

今回は私の愛犬の出会いから病気の発見、亡くなるまでのお話をしたいと思います。

 

 

初めてのわんこ

 

私は物心ついたころから犬が大好きでした。
友達の家で飼っていたり、近所に親しくしてくれるわんこがいたりで、私もいつしか犬を飼いたいと幼いながらに考えるようになりました。

 

母も父も犬が好きで頼めば家で飼えるかもしれないと淡い期待をもって両親に

 

「犬が飼いたい」

 

と話しました。
しかし両親の反応は良いものではありませんでした。

 

理由は、私の姉は犬が苦手だったからです。
前に犬の散歩体験ができるところで体験をしたら姉は犬が怖くてリードを離してしまったのです。

 

それ以降、我が家では犬を飼うことは諦めていました。
しかし、そんな姉もテレビなどで犬を見ているうちに犬に興味がわき、犬を飼いたいと言い始めました。

 

両親もかなり悩んでいましたが、私と姉の懇願により犬を我が家で迎え入れることになりました。
初めての愛犬は母が前から飼いたいと思っていたゴールデンレトリバーにすることにしました。

 

ブリーダーのところでどの子にするかを決めるとき、3匹いた子犬の中から1匹だけとても私に懐いてくれた子犬がいました。
両親も

 

「この子がいいね」

 

とその子を選んでくれました。
私は当時犬種に詳しくなく、ゴールデンレトリバーがどのくらい大きくなるのか分からずにいたのですが、そこで会った子犬たちの母犬に会って、初めてゴールデンレトリバーの成犬の大きさを見てびっくりした記憶があります。

 

そして、年が明けた1月にゴールデンレトリバーの子犬は我が家にやってきました。

 

我が家にやってきて

 

私は自分の家に子犬がいることが信じられずにいました。
初めての子犬とのふれあいでどう接していいか分からずにいたことを覚えています。

 

名前は、当時母が好きだった映画「タイタニック」の「ジャック・ドーソン」からとり、「ジャック」になりました。

 

大型犬の成長は早く、家に来た頃は私の膝の上にも乗れるほどの小ささだったのに、1年たつ頃には立つと私の身長を簡単に越せるほどの大きさになっていました。
力もかなり強く、ワクチンなどを済ませて散歩ができるころには私には散歩できない強さになっていました。

 


 

 

我が家にきて5年目で…

 

ジャックが我が家に来て5年目、私が中学1年のゴールデンウィークにジャックに異変が起こりました。
小屋から出して遊んだ後小屋に戻そうとしたとき、小屋の前で急にけいれんを起こしました。

 

この時はすぐに落ち着き、しばらく様子を見ていましたが、ご飯もいつも通り食べていたので家族もあまり気にしていませんでした。

 

その一週間後に母が散歩に行ったとき、散歩先でジャックは倒れてしまいました。
幸い、その近くに祖父母の家があったので祖父母の家に行き、家まで車で送ってもらえました。

 

急いで病院に行き検査をしてもらったのですが、詳しいことを教えてもらえませんでした。
後日両親が検査の結果を聞きに行ったのですが、帰ってきたときの両親の顔で聞いてはいけないような気がして私はその時に結果を聞けませんでした。

 

病名は

 

ジャックが倒れた原因は

 

「インスリノーマ」

 

という膵臓の癌でした。
インスリノーマは膵臓のインスリンの分泌を担うβ細胞にできる腫瘍で、インスリンを過剰に分泌し、低血糖を引き起こす病気でした。

 

簡単にいうと、糖尿病の反対の症状です。
インスリノーマは早期発見が難しい病気で、悪性度も高く、完治が難しいです。

 

症状としては、主に低血糖の症状で、異常な食欲や、筋肉の震えなどです。
また、空腹時や食後、興奮したとき、運動した後などの低血糖になった後に症状が現れやすいです。

 

この病気は、大型犬に多く発症しやすいです。
平均で発症が発見されてから1年程度で亡くなってしまいますが、若齢で発症した場合は高齢で発症した場合より病気の進行が早く、短命な場合が多いです。

 

治療法は血糖のコントロールをする薬を飲むか、インスリノーマの摘出手術しか無いのですが、先述した通り早期発見が難しく、病気を発見できた頃には別の場所に転移していることがほとんどなので完治はなかなかできません。

 

愛犬のジャックはまだ5歳で若齢だったので発見からたった3か月しか生きられませんでした。
はじめに家で倒れたのも、散歩中にジャックが倒れたのも、運動したことで低血糖になったことが原因でした。

 

 

病気が発症してから

 

ジャックが倒れた後からの時間は早く過ぎました。
ジャックは徐々に痩せていき、元気がなくなっていくのが目に見えてわかりました。

 

両親は特に何も言わなかったですが、中学生の私でもジャックと一緒にいられる時間が短くなっていると何となく感じ取っていました。

 

私が夏休みに入るころには立ち上がることも、自力で食事をとることもできなくなっていました。
夏休みは私が1日中そばについて食事・トイレの介助、足のマッサージ、けいれんが起きたら病院から処方されているブドウ糖を服用させるなどをしていました。

 

8月5日の夕方、いつものように一緒にいたときに、ジャックは今まで起こしたことのないようなけいれんを起こしました。

 

私は動揺しましたが、母に電話し、いつものようにブドウ糖をあげました。
するとさっきまでのけいれんが嘘のように落ち着きました。

 

けいれんこそは収まったのですが、いつもより息が荒くなっていました。
両親が帰ってきて急遽病院から処方してもらった座薬を入れてあげるとほんの少し息も落ち着いてきました。

 

父は

 

「今日が最期かもしれない」

 

と言いました。
しかし、その日を超えた夜中3時になるころにはかなり落ち着き、明日も仕事があるから一時間ほど仮眠をしました。

 

8月6日の朝4時頃、母の

 

「ジャックが息をしていない」

 

の一言で私は飛び起きました。
嘘だと思い、ジャックにさわってみると少し冷たくなっていました。

 

愛犬ジャックは5歳10か月でこの世を去ってしまいました。
もう一匹一緒に飼っていた1歳半の愛犬もいつもはジャックを見ると追いかけまわしてじゃれあっていたのにその時は目を開けてほしいのかずっと顔をなめていました。

 

それからはジャックをかわいがってくれていた叔母が会いに来てくれたり、ジャックが生きていたころよく遊んでいたおもちゃや大好きだったお菓子などと一緒に箱に入れてあげたりしました。
火葬場から帰ってきたジャックは家に来た時よりも小さくなって我が家に帰ってきました。

 

ジャックのいない小屋と帰ってきた遺骨を見て私はようやくジャックはもうこの世にはいないこと実感しました。

 


 

それから

 

ジャックが亡くなってからしばらくは何もできませんでした。
たった5年半とはいえ毎日遊んでいた愛犬を亡くした悲しみは消えなかったです。

 

しかし、ジャックと生前仲良くしていた愛犬がもう一匹我が家にはいます。
嬉しいことに現在、その愛犬はジャックの年齢を超え、今年8歳になります。

 

今でも近所やテレビでゴールデンレトリバーを見るたびにジャックのことを思い出し、寂しい気持ちになってしまいます。
しかし、ジャックは私が小学校でうまくいってなかったときにいつもそばにいて励ましてくれていました。

 

高校受験や大学受験の時、つらくなった時、いつもそばにいてくれたジャックのことを思い出すと、今でもそばにいてくれているのかなと思います。
5年半の短い時間でジャックが私にくれたものは、今までもこれからも私の中にあり続けると思います。

 

以上が私の初めて飼った愛犬との話です。

 

ご購読ありがとうございました。

 

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