愛犬が水をよく飲む原因は病気のサイン?糖尿病・腎臓病・クッシング症候群の症状と対処法

愛犬が水をよく飲む原因は病気のサイン?糖尿病・腎臓病・クッシング症候群の症状と対処法

 

 


 

 

うちの子、最近よく水を飲むような気がするけど……これって普通?病気のサインかも?

 

暑い日に散歩から帰ってきて水をがぶ飲みすることは自然なことです。しかし、エアコンの効いた涼しい環境にいるのに飲水量が多い・以前より水を補充する頻度が増えた・気づいたら水皿が空になっているという状況は、犬の病気のサインである可能性があります。

 

愛犬の1日の飲水量の目安

体重5kgの愛犬で約250?300ml、体重10kgで約500ml程度が目安です。活動量・気温・季節によって増減するためあくまで目安ですが、「ここ半年で、それ以前と比べて飲水量が極端に増えたかどうか」が重要な判断基準になります。

 

今回は飲水量が増えた時に考えられる3つの病気を解説します。

 

  1. 糖尿病
  2. 腎臓病
  3. クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)

 

 

※暑い日の散歩は日の出前や日没後の涼しい時間帯に行うのが鉄則です。日中の暑い時間帯は肉球の火傷の危険があります。

 

 


 

@ 糖尿病

 

糖尿病には1型糖尿病と2型糖尿病があります。血糖値をコントロールするインスリンが分泌されないことが原因の1型、インスリンの分泌不足または効きが悪いことが原因の2型に分類されます。

 

1型糖尿病は体質や膵臓の破壊が原因、2型糖尿病は肥満・遺伝・運動不足などが原因とされています。人間の糖尿病では90%が2型ですが、愛犬の場合は多くが1型糖尿病と言われています。つまり、痩せていても標準体型であっても糖尿病を患っている可能性が十分あります。

 

糖尿病の主な症状

  1. 多飲多尿:水をたくさん飲み、おしっこの量や回数も増える。場合によっては粗相することも
  2. 食欲増進:年を取ってから急によく食べるようになった
  3. パンティングの増加:涼しい環境・興奮のない状況でもハアハアすることが増えた
  4. 皮膚疾患:シャンプーや薬を使用してもなかなか治らない皮膚病
  5. 削痩:よく食べるのに痩せてきている

 

糖尿病は放置して治る病気ではありません。最悪のケースもある恐ろしい病気です。気になる症状があれば、すぐに獣医師に相談してください。

 

 

A 腎臓病

 

腎臓病は急性腎臓病と慢性腎臓病に分けられます。3か月以上腎臓機能の異常がみられる場合は慢性腎臓病と判断されます。

 

腎臓は一度ダメージを受けると回復しない臓器です。これは人も犬も同じです。傷ついた腎臓を元に戻すことはできないため、放置すると悪化する一方です。だからこそ早期発見・早期治療開始で病気の進行を遅らせることが非常に重要になります。

 

腎臓病の主な症状

  1. 多飲多尿:水をたくさん飲み、おしっこの量や回数も増える。場合によっては粗相することも
  2. 食欲不振:いつものフードを食べない・好きなものしか食べない・全体的に食べる量が減った
  3. 嘔吐・下痢:消化したフード・黄色い液体・白い泡などを吐く。嘔吐の回数が増えてきた。最近ウンチがゆるい
  4. 元気消失:なんとなく元気がない。年齢を重ねるにつれて元気がなくなってきた
  5. 削痩:痩せてきているのにフードを欲しがらない

 

複数の症状が当てはまる場合は要注意です。他の疾患でも同様の症状が見られることがあるため、少しでも気になる場合は動物病院でしっかりと検査を受けましょう。

 


 

 

B クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)

 

聞き慣れない病名かもしれませんが、犬の病気の中ではとてもメジャーな病気です。

 

クッシング症候群とは、腎臓の近くにある副腎という臓器から分泌されるコルチゾルというホルモンが過剰に分泌されることで引き起こされる病気です。コルチゾルはたんぱく質の分解・尿量の増加・血圧の維持・インスリン抑制などの機能を持つホルモンで、その働きが過剰になることで様々な症状が現れます。

 

副腎皮質は脳からの指令を受けてコルチゾルを分泌しているため、脳に原因(腫瘍)があるパターンと、副腎そのものに原因(腫瘍)があるパターンがあります。また、クッシング症候群を患っている愛犬は膀胱炎・皮膚疾患・糖尿病などの病気を併発していることも多いため注意が必要です。

 

クッシング症候群の主な症状

  1. 多飲多尿:水をたくさん飲み、おしっこの量や回数も増える。場合によっては粗相することも
  2. 脱毛:換毛期でもないのに毛がよく抜ける
  3. 呼吸促迫:呼吸が速くなる・呼吸の回数が増える
  4. 皮膚疾患・色素沈着:治療してもなかなか治らない皮膚病・皮膚が黒ずんでくる
  5. 皮膚が薄くなる:お腹など毛の薄い部分の皮膚がしわしわして乾燥しているように感じる
  6. 運動意欲の低下:ヨタヨタと歩く・散歩を嫌うようになる
  7. 腹部の膨張:お腹が膨らんでくる

 

「年をとったせいかな」と思いやすい症状ばかりですが、健康であれば年をとっても元気です。あれ?と思うことがあればすぐに動物病院を受診しましょう。

 

まとめ:飲水量の増加は病気の早期発見のチャンス

 

この記事のポイント

  • 飲水量の増加は糖尿病・腎臓病・クッシング症候群など多くの病気のサインになり得る
  • 愛犬の糖尿病は多くが1型で、標準体型でも発症することがある
  • 腎臓は回復しない臓器のため、早期発見・早期治療開始で進行を遅らせることが重要
  • クッシング症候群は「老化のせい」と見過ごしやすい症状が多い。他の病気の併発にも注意
  • いずれも血液検査・超音波検査・レントゲン検査で早期発見が可能
  • 日頃から愛犬の様子をよく観察し、いつもと違うことがあればすぐに動物病院へ。少なくとも半年に1回は定期健診を受けることをおすすめします

 

今回ご紹介した3つ以外にも飲水量増加につながる病気はたくさんあります。当てはまらなくても、「水をよく飲む」という変化があれば一度獣医師に相談してみてください。ご覧いただきありがとうございました。

 

 


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