人間の赤ちゃんとうちの犬の関係|生後から4歳まで4年間の同居体験談

人間の赤ちゃんとうちの犬の関係|生後から4歳まで4年間の同居体験談

 

 


 

 

我が子?妹?それともライバル?愛犬の本心は?

 

テレビでよく見られる、赤ちゃんと犬のほっこり仲良し動画。赤ちゃんが泣いていると舐めてあげたり、守るように抱いて一緒に眠ったり。果たしてどの愛犬も赤ちゃんに優しくしてくれるのでしょうか。

 

私に女の子の赤ちゃんが生まれた時、果たしてうちの愛犬は赤ちゃんを愛でてくれるのか、それとも無関心なのか、対抗意識を燃やすのか。これは赤ちゃんが生まれてからの4年間のお話です。

 

 

 

14歳の愛犬と夫の不安

 

私が出産した時、うちの愛犬は14歳でした。年齢的にはおじいちゃんです。

 

愛犬の性格は荒く、特に父に対しては吠えるわ噛むわのめちゃくちゃぶり。夫は婿養子として私の実家に同居してくれていましたが、そんな愛犬と暮らすうちに「赤ちゃん大丈夫かな……」と心配していました。

 

私はいつも楽観的でしたが、それにはちゃんと理由がありました。愛犬は空気を読むのが得意で、いい意味でも悪い意味でも人を見分けていました。犬好きな人にはすぐに懐き、怖がっている人には吠えまくる。しかし子供には何もしません。吠えることなく、遠くからしっぽを振るだけで、自らは近寄りませんでした。子供が近寄って触れても、大人しくしていました。

 

この光景を何度も見てきた私は、赤ちゃんが生まれても絶対何もしないと確信していたのです。

 


 

初対面の日「なんだ君は!?」

 

予定日通り女の子を無事に出産し、1週間の入院を経て帰宅しました。玄関を開けるといつも通り満面の笑みで尻尾をちぎれそうなほど振って出迎えてくれた愛犬。そして私が抱いているお包みの赤ちゃんにすぐ興味を示し、しきりに中を覗き込もうと鼻をクンクンと鳴らしていました。

 

部屋に入り揺りかごに赤ちゃんを寝かせ、愛犬を抱っこして「ほら赤ちゃんだよ、この子のお兄ちゃんになるんだよ、優しくしてあげてね」と話しかけながら見せてあげました。すると愛犬は赤ちゃんをじっと見つめたまま動きません。まさに「なんだ君は!?」という表情でした。この日から、愛犬と赤ちゃんの同居生活がスタートしました。

 

興味がないフリ?実はそっと見守っていた

 

その後、思っていたより愛犬は赤ちゃんに興味を示しませんでした。最初は赤ちゃんの泣き声にオロオロしていましたが、2?3日もすると泣いても少し顔を上げるだけで無関心に。私たちが抱っこしていても近寄らず、近くに連れて行っても舐めるわけでもなく。本当に興味なし!という感じで、正直ちょっとがっかりしました。

 

しかし変化が現れました。赤ちゃんの首がすわり、床に布団を敷いてゴロゴロさせるようになると、気がつくと愛犬がいつも赤ちゃんの足元か枕元にいるのです。私が台所やお手洗いに立って戻ると、必ずそばにいる。小さくて座れるスペースもないような座布団の横にも、ただたたずんでいます。

 

舐めるわけでも、匂いを嗅ぐわけでもなく、ただ座るか寝るだけ。家族と「もしや、守ってるつもり?」と話していました。真相はわかりませんが、この赤ちゃんの隣に行く行動は赤ちゃんが幼稚園児になっても続きました。どちらにしても、愛犬がしっかりと赤ちゃんを家族として認めてくれていたのは間違いありません。

 

 

関係の変化??兄弟のような日々

 

月日が流れ、今度は赤ちゃんの方が愛犬に関心を持ち始めました。犬が枕元に来ると触ったり毛を引っ張ったり叩いたり。赤ちゃんは想像以上に力があります。たまに愛犬の毛が抜けてしまい、赤ちゃんが自分の手についた毛をじっと見つめていることも。

 

さて愛犬はどうしたかというと、まさかの無反応。何をされても怒らず吠えず、「おい……」という顔で少し見るだけ。逃げもせず、毛を抜かれても顔を叩かれても、そばを離れませんでした。家族はいつも「ごめんね、赤ちゃんだからね、ありがとう優しくしてくれて」と声をかけていました。

 

動画のようなラブラブな関係ではありませんでしたが、愛犬から赤ちゃんへの愛はひしひしと伝わってきました。

 

赤ちゃんがハイハイしたりつかまり立ちするようになり、離乳食やおやつを食べたり、音のなるおもちゃで遊ぶようになりました。おやつもおもちゃも愛犬は大好き。そこでさらに兄弟らしい関係になりました。そうです、愛犬はおやつやおもちゃを奪おうとするようになったのです。赤ちゃんが対抗する力をつけると、それに合わせて愛犬も遊び出しました。この頃も、噛まない・吠えないは徹底されていました。

 

幼児期??対等な関係へ

 

2歳から保育園に通い始め、走ったりボールを投げたりおしゃべりも達者になると、愛犬もだいぶ手加減しなくなってきました。おやつの時間には吠えるように。子供も負けじと大声を出したりクッションを投げて対抗する、2人ともいい勝負の日々です。

 

子供がしつこくちょっかいを出すと愛犬が唸ることもありましたが、私が「だめよ、我慢して!」と言うと「ちぇっ」という感じでそっぽを向いて唸るのをやめていました。ここまで対等に近い関係になっても、愛犬は決して子供を噛むことはしませんでした。

 

その頃愛犬はかなり老犬になっていて散歩以外は寝ていることも多かったのですが、子供が保育園から帰ってくる5分ほど前から耳をすませ、階段の前に座って待っていたとのこと。玄関を開けると、いつも尻尾をちぎれそうなくらい振って出迎えてくれました。

 


 

 

最後に愛犬が子供に教えてくれたこと

 

子供が4歳の誕生日を迎えた1週間ほど後に、愛犬は天国へ旅立ちました。子供が体験する初めての「死」です。

 

間もなく息を引き取るという話をした時、子供は「死んじゃうんだったら新しい犬を飼わなくちゃね」と言いました。まだ「死」が理解できていないことはわかっていましたが、私はショックで怒ってしまったのを覚えています。

 

愛犬が亡くなった時、子供は保育園にいました。帰りの車で伝えた時はさほどショックを受けていませんでしたが、部屋に入り息を引き取った愛犬に引き合わせると、冷たさとすでに始まっていた死後硬直の硬さに驚き、大声で泣き出しました。子供が初めて「死」に直面し、理解した瞬間でした。

 

その夜も子供は愛犬を枕元に寝かせ、自分が読める簡単な本を読み聞かせました。一緒に眠る最後の夜です。翌日の火葬の際も、子供はずっと泣いていました。今でも飾ってある写真を見て「寂しいね」とたまに言っています。

 

うちの愛犬は、子供が我が家にやってきた日から優しく見守ってくれました。たくさんのことを子供に教えてくれ、そして最後に「死」を経験させてくれました。きっとこれからも天国から見守ってくれていると思います。子供にとって、愛犬はこの先もずっと親友です。

 

この体験談のまとめ

  • 初対面の日:吠えず、ただじっと見つめるだけだった
  • 新生児期:無関心に見えて、気づくといつも赤ちゃんのそばに座っていた
  • ハイハイ期:おやつやおもちゃを奪い合う兄弟のような関係に
  • 幼児期:手加減しなくなっても、噛む・激しく吠えることは最後まで一度もなかった
  • 愛犬は赤ちゃんの誕生から旅立ちまでの4年間、ずっと子供を守り続けてくれました

 

ご覧いただきありがとうございました。

 

 


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