犬の習性、その1
犬の不思議な行動 なぜそんなことするの?
スペース1
皆さんは、愛犬と一緒に生活していて、なぜそんなことをするのか不思議に思う行動ってありませんか?
愛犬のことは何でも分かっているつもりでも、人にとって理解しにくいような行動を取ることは、多かれ少なかれきっとあるはず。
中にはちょっとそれって問題行動なんじゃない?
やめて欲しいんだけど・・・
と思ってしまうこともあるかもしれません。
今回はそんなワンちゃんの謎の行動について、いくつか解説していきたいと思います。
この記事によって愛犬に対するあなたの理解が少しでも深くなり、あなたと愛犬の生活がより豊かなものになればとても嬉しく思います。
1.人によって態度が違う
愛犬の名前を呼んだとき、触ろうとしたとき、あるいは仕事先から帰ってきたときなど、ある人にはちぎれそうな程しっぽを振るのに、別のある人には素っ気ないくらい落ち着いた態度・・・。
一生懸命コミュニケーションを取ろうとしても、愛しの我が子は塩対応。
いつもご飯をあげてるのは私なのにーー!!
なんて、このようなことは、犬を飼っている人のあいだではちょくちょく聞かれることです。
ではなぜ犬は人によって態度を変えるのでしょうか?
人のどういうところを見て、自分の取る行動を決めているのでしょう?
それを知る前にまず、犬の習性を紐解いてみましょう。
犬は人に飼われるようになる遥か昔から群れで生活してきた動物であることはご存じの方も多いでしょう。
集団で生活することにより、狩りの成功率をあげたり、外敵から身を守りやすくしたりと、色々なメリットがあるわけです。
群れの中には一頭のリーダーがいて、そのほかのメンバーたちにも序列があり、縦型の社会を形成しています。
このことから、とても強い社会性を持った動物だとわかります。
現在一般の家庭の中で暮らす犬たちもこの性質は受け継いでいて、たとえペットであっても、上下関係は犬にとって生きていくための重要な秩序です。
家族全体を自分が所属する群れのように思っていて、一人ひとりのことを群れのメンバーとして認識しているのです。
ではその上下関係の認識の仕方ですが、例えば
- お父さん
- お母さん
- 長女
- 長男
といった構成の家族がいるとしましょう。
この家族に飼われているワンちゃんは、自分を含めた5人のメンバーを1位から5位まで順位付けするというよりかは、それぞれのメンバーに対して、自分が上か下かを判断しています。
つまり
「お父さんと自分ではお父さんの方が偉い」
とか
「お母さんと自分では自分の方が偉い」
といった感じで、一人ずつに対して自分が上か下かを見ているんですね。
名前を呼んでも来ないとか
「おすわり」
といってもなかなか座らないとか、あまり触らせてくれないなど、言うことを聞いてもらえない人がいるなら、それは残念なことにその人は愛犬から下に見られている可能性が高いです。
では愛犬に下に見られる原因は何かというと、まず一つは
「犬の言いなり」
になってしまっていること。
かわいがることと、甘やかすことはまったく別であることに気づいていない場合が多いです。
もう一つは言い方が中途半端だったり、yesとnoがはっきりしていないこと。
そして気分によって言うことや行動が変わり、一貫性がないこと。
これでは犬はなにが正しいのかわからず迷ってしまいますし、そんな態度の人には頼りがいを感じられませんね。
犬は人間のことを本当によく見ています。
家族一人ひとりの行動や目の動きに常に気を配り、観察しています。
犬になにかを伝えるときはいつも堂々とした態度を心がけましょう。
2.犬同士がお尻のニオイを嗅ぎあう
皆さんの愛犬は知らない犬や顔見知りの犬に会ったとき、どんな行動をしますか?
犬が互いにお尻のニオイを嗅ぎあっているところを見たことがあるという方はきっと多いと思います。
なんでそんなところわざわざ嗅ぐのか、見ている人からすればとても不思議で、なんかちょっと恥ずかしいような気もしちゃいますよね。
実はこのお尻のニオイを嗅ぐ行動は犬の習性からくるもので、れっきとした犬同士の挨拶なんです。
なんでお尻のニオイを嗅ぐことが挨拶なの??
と思われますよね。
それは犬の肛門の周りには臭腺というニオイを出す腺があって、犬はそのニオイを嗅ぐことで、相手についての様々な情報を知ることができるからなんです。
たとえば
- 年齢
- 性別
- 犬種
- 今どんな気持ちか
などといったことです。
さすが、人の何倍もの嗅覚をもつ動物なだけありますね。
3.うんちを食べる
犬を飼われている方の中には、食糞でお困りの方もいらっしゃるでしょう。
挨拶としてお尻のニオイを嗅ぐことはわかりましたが、ではうんちを食べてしまう子がいるのはどうしてでしょうか?
これも犬の習性が関係しているのでしょうか?
実は食糞は犬の世界では当たり前のようにあることで、犬にとっては特に異常な行動というわけではありません。
可能性として考えられる理由は、ひとつはごはんの量が足りなくてお腹が空いている。
やはり犬は嗅覚がたいへん優れた動物です。
うんちの中にごはんの匂いがわずかに残っていて、そのおいしい匂いに誘われているのかもしれません。
もうひとつは、好奇心です。
愛犬の目におもちゃとして映っていて、遊んでいるうちに食べてしまうこともあるでしょう。
そしてもうひとつは、飼い主さんにかまってもらえるから。
うんちを咥えると、飼い主さんがあわてて飛んできてくれるので、それが目的になっているかもしれません。
それから過去にトイレを失敗したときに飼い主さんに怒られた経験から、それが嫌でうんちを何処かに隠そうとしている場合もあります。
代表的な理由をあげてみましたが、これ以外にもあなたの愛犬だけの特別な理由もあるかもしれません。
犬にとっては異常な行動ではないと言っても、やはり見ていて気持ちのいいものでは決してありませんし、衛生上も良くはありません。
犬に食糞を止めさせることは難しいのですが、食糞を
「させない」
ための一番の方法は、うんちをしたら直ぐに片づけること。
これに尽きます。
お留守番中の食糞については、食糞用のサプリメントなども試してみるのもいいかもしれませんね。
4.狂ったように突然走り出す
皆さんの愛犬はケージから出したときや一緒に遊んでいるときに、いきなり我を忘れて猛ダッシュすることはありませんか?
これも犬の習性なのでしょうか?
なぜそんなことが起きるのか、とても不思議ですよね。
あまりの狂いっぷりに、放っておいて大丈夫か心配になる方もいらっしゃるかもしれません。
でも大丈夫です。
犬の猛ダッシュは、実はよくあることなんです。
犬がなぜいきなり猛ダッシュするのかというと、それにはちゃんと理由があります。
ひとつは、嬉しさが爆発しているから。
走らずにはいられないくらいの大きな喜び(エネルギー)があふれ出しているんです。
例えばお留守番していて飼い主さんが帰ってきたとき、ただでさえウキウキしているところにケージから出してもらたら、溜まっていたウキウキのエネルギーがいっきに解放されてあふれ出します。
嬉しさとは逆に、イライラが爆発したときにも猛ダッシュが起きることがあります。
おもちゃで一緒に遊んでいて、もっと遊んでもらいたかったのに取り上げられてしまったときや、自分は楽しく遊んでいたのに飼い主さんからはイタズラとみなされて怒られたときなどです。
イヤなお手入れが終わったときにも、フラストレーションが爆発して猛ダッシュが起きることがあります。
それから若いワンちゃんにありがちなのが、何もすることがなくて退屈なときにも、動きたい欲求が急に高まって突然猛ダッシュ、ということも時々あります。
さてこの猛ダッシュ、やめさせた方がいいのか悩まれる方もいらっしゃるかもしれません。
ところが犬がこのような状態のときは、飼い主がいくら一生懸命声をかけてもなかなか耳に届きません。
捕まえて止めようとしても、よけいに逃げて追いかけっこになってしまいます。
これはあくまで自然に出てしまう行動ですので、ある程度エネルギーが発散できれば、犬は自分自身でクールダウンできます。
ですので基本的には自然に治まるまで見守ってあげてください。
ただし安全のために、ぶつかると危険なものは取り除いたり、床がフローリングなどの滑りやすい材質のときは、カーペットなどを敷いて滑らないようにしてあげましょう。
最後に
いかがだったでしょうか?
あなたの愛犬の行動の謎は解けましたでしょうか?
改めて考えてみると、犬って本当におもしろい動物ですよね。
ここに挙げたものの他にも、愛犬の行動についての謎はまだまだ限りなくあることでしょう。
キリがなくなってしまいそうなので、今回はこの辺で終わりにしたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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