犬の美容、トリミングサロンのサービスについて
野生で暮らす動物は、シャンプーをしたり毛をカットすることなど、当然できませんよね。
犬も遥か昔は野生で暮らしていた動物です。
野生で暮らしていれば、ケガをしても病気になっても治療はできません。
それと同じように、爪が伸びても毛が絡まっても、手入れをすることもできないのです。
犬がペットとして人間と生活するようになり、人間が手入れをするようになりました。
動物医療もどんどん進歩し、犬の食事も良質なものに変わり、人間が手入れをするようになったことで、犬の平均寿命はどんどん延びたのです。
犬はよく食べて、元気に遊べばそれで良し!!
と思う方も中にはいるかもしれません。
今回は犬の美容とはいったいどのようなものなのか。
また、その必要性や費用などを掘り下げてみましょう。
<1.犬の美容とは>
ペットショップや動物病院に、ペットの美容室が併設されていることは珍しくありません。
「ペットに美容室なんて必要なの?ちょっと過保護すぎない?!」
と思われる方も多いかもしれませんが、犬の美容はけっこう重要なものです。
美容というと、必要最低限以上のおしゃれというようなニュアンスを想像するかもしれません。
犬にとっての美容は、ただ単におしゃれをする、ということではないのです。
もちろん、最近の犬の美容は幅がどんどん広がり、ネイルケアであったり、泥パックなど人間さながらの美容も展開されています。
今回はこのような
「おしゃれ」
の観点から見た美容ではなく、必要最低限の手入れについて着目してみます。
街角のトリミングサロンで行われている犬の美容(手入れ)はいったいどのようなものなのでしょうか。
@トリミング
ガラス張りの店内で台に載せられたワンちゃん。
気持ちよさそうにしているのか、はたまた複雑な気持ちなのか・・・。
トリマーという犬の美容師の資格を持つ方が、バリカンやハサミを器用に使い、犬の毛をカットします。
シャンプーやカットなどで犬の毛を整えるだけでなく、皮膚の健康状態の確認や耳掃除、肛門腺しぼり、爪切りなどの基本的な手入れを行います。
手入れをせずに、毛玉ができたりすると、見た目の問題だけではなく、皮膚が引っ張られて常に痛みを感じることのになります。
また、自宅でシャンプーをすることはできても、完全に乾かすことは至難の業。
肉球回りや耳、足の付け根など乾き残しがあると、皮膚病の原因にもなります。
このようなシャンプーとカットを行うメニューがトリミングです。
価格は大体6000円〜10000円以上。
Aグルーミング
グルーミングは最もわかりやすくいうと
「手入れ」
です。
トリミングというメニューに含まれることが多いです。
爪切り・肛門腺しぼり・耳掃除・歯磨き。
このようなこまごまとしたケアをグルーミングと呼んでいます。
これらは、犬の飼育に慣れた飼い主であれば自宅で行うことも可能です。
慣れるように小犬の頃から始めるといいでしょう。
サロンでは、トリミングメニューに含まれているほか、単品で行ってくれるところが多いです。
料金はお店によって異なりますが、だいたい500円程度での設定が多いです。
Bオプションのスペシャルケア
数多くあるペットのトリミングサロン。
このオプションは店舗としての特徴を示すとても大事な項目といっていいでしょう。
たとえば・・・・
・マイクロバブル(ナノバブル)
シャワーからマイクロ、もしくはナノレベルの小さな泡が出てくる特殊なシャワーや浴槽を使用します。
こちらを使用することで、毛穴の奥の小さな汚れをきれいに落としてくれます。
皮脂の溜まりやすい子や、臭いが気になる子にとてもオススメ。
しかし、汚れや皮脂をとってくれる一方で、乾燥しやすくなるというデメリットも。
フケは乾燥しているときに出てくるものなので、普段からフケのある子やマイクロバブル後にフケが出やすい子は利用を控えた方がよさそうです。
価格は大体1500円〜4000円程度。
・パック
肌が荒れたときや乾燥が気になるとき、人間はパックをしますよね。
実は犬用に開発されたパックもあるのです。
人間のようにシートパックではなく、泥パックが主流。
その中にもハーブやクレイ、泡など、最近は種類も増えてきているように思います。
人間のように肌のために使うのではなく、どちらかというと毛のお手入れを目的にしています。
トリートメント、という方がイメージしやすいですね。
パック後のワンちゃんは驚くほどに毛がフワフワ、サラサラになるのです。
価格は大体3000円〜6000円程度。
それぞれの価格はあくまで平均となります。
犬種や毛の状態、そのお店によって異なりますので、気になるサロンにお問い合わせの上ご確認くださいね。
<2.サロンの利用方法と注意点>
人間の美容室同様、犬のトリミングも予約が必要となります。
爪切りだけや肛門腺搾りのみなど、予約なしでもできる場合もありますが、念のため事前に問い合わせの上、サロンに行きましょう。
1頭に係る時間は小型犬で1時間〜2時間程度。
デザインカットを希望した場合にはもう少しかかることもあります。
予約をした時間にサロンへ連れていき、終わる時間にまたお迎えにいくのがよさそうです。
さらに、サロンを利用するにはいくつかの注意点があります。
愛犬家として最低限のマナーを守って利用しましょう。
@トリミングに行く前にシャンプーはNG
トリミングでは、サロン用のシャンプーを使い、トリマーさんが念入りに手入れをしてくれます。
トリミング前にシャンプーをしてしまうと、過剰に皮脂を取り除いてしまい皮膚トラブルの元となることがあります。
もしも汚れが気になった場合、ふき取りシートで拭いてあげるようにし、なるべくシャンプーは控えましょう。
Aワクチンの接種
ほとんどのサロンが利用条件として、1年以内に狂犬病予防接種と混合ワクチンの予防接種を受けていることをあげています。
狂犬病ワクチンについては、生後91日以上たった犬は年に1度、必ず接種することが動物愛護法により義務付けられています。
初めて利用するサロンや、利用し始めて1年以上経過した場合、接種証明を提示することを求められるため、必ず持参しましょう。
また、接種直後はシャンプーを控えるように獣医さんから指導があります。
予防接種の時期には余裕をもったスケジュールで予約をするようにし、最低でも接種から3日、理想的なのは1週間程度の間隔をあけるようにしましょう。
B老犬の場合は相談を
足腰が弱ってきている老犬は、トリミングの1時間〜2時間がとても負担になることがあります。
トリマーさんも長年の経験の判断でやむなくトリミングを中止したり、あらかじめ断る場合もあります。
老犬には老犬にあった手入れ方法をしてあげましょう。
C病気や疾患は事前に伝えて
とくに、アトピーやアレルギー、腫瘍や傷などがある場合には事前に伝えて相談しましょう。
ノミやダニが寄生している場合には利用を断られてしまうことがあります。
病院からシャンプーの指定がある場合には持参し、それを使っていただくこともできます。
Dヒート(生理)中の利用は控えましょう
避妊手術をしていないメス犬は年に2回、ヒート(発情期)を迎えます。
この期間は、陰部からの出血が見られます。
この時期のメス犬は、オス犬にとってとても魅力的な匂いになるのです。
もしもこれを嗅ぎつけたオス犬が興奮し、暴れだした場合、ケガや事故の原因となります。
<3.まとめ>
いかがでしたか。
犬にとっての美容は、ただ単におしゃれではなく、健康に生活する上で必要なお手入れだということがわかったと思います。
サロンには行かず、自宅でケアをする場合にはきちんと手順を学び、処理残しの無いように心がけましょう。
数多くあるサロン。
飼い主さんにとっても愛犬にとっても快適なサロンに出会えるといいですね。
ご購読ありがとうございました。
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