癒しや愛嬌のある犬、あなたにとってアイドル犬ってどんな犬?
<1.アイドル犬てどんな犬?>
テレビのCMやドラマ、雑誌、最近ではInstagramなどのSNSで、愛くるしいきゅるんとした瞳で人々の心を鷲掴みにするワンちゃんがいます。
また、見た目だけではなく、ちょっと変わったかわいらしい行動や鳴き声等で注目を浴びるワンちゃんも。
SNSでワンちゃんがアカウントを持ち発信を行えば、日本国内にとどまらず世界的に人気を爆発させる子も今や珍しくはありません。
中にはイベントに出席したり、カレンダー等のグッズを販売する子も。
アイドル犬の多くは、いつもかわいらしい服をきて、人間よりも高額な美容費をかけてもらい、常に手入れが行き届いている子が多いです。
人間顔負けの表情やポージングを決めるアイドル犬。
そんな国境や飼い主を越えて、だれからも愛される犬を人々は”アイドル犬”と呼んでいるのです。
<2.アイドル犬の定義>
人間が犬に何を求めているのか、突き詰めて考えると結局は
「癒し」
にたどり着く。
じゃあ犬の何が癒しなのかと言われると、それは人それぞれなのではないでしょうか。
例えば、かわいい見た目やフワフワとした毛並み、愛嬌のある性格、ちょっと見た目はぶちゃいくなのがいい!
など、価値観は様々です。
SNSやテレビで話題になるワンちゃんの多くは、きゅるんと潤んだ瞳にフワフワの毛並みを持ち合わせたワンちゃん。
我が家の主人に、アイドル犬ということばからイメージする犬について聞いてみました。
すると、まず上がったのがうちの愛犬の名前。
なるほど、この人にとってのアイドル犬は自分の犬なんだ!
と感心しました。
じゃあ、どんな時に愛犬のアイドル性を感じるのかとさらに聞いてみました。
「それはたくさんあるな〜。上目遣いをしてくるときもそうだし、完全に自分に身をゆだねて甘えてきてるときとか、安心しきった寝姿とか。」
確かに。
これは天使か?!
って思う瞬間が私たちの日常にはゴロゴロと転がっています。
アイドル犬は見た目の可愛さもそうですが、やっぱり自分の愛犬が一番でなければならないのではないでしょうか。
ただ、世の中には犬を飼いたくても飼うことができなくて、SNS等のアイドル犬にいつも癒されている!
という方も多いのです。
人間を幸せな気持ちにしてくれるアイドル犬、このアイドル犬に対しては様々な意見があるようです。
<3.アイドル犬の幸せ>
私たち人間は、愛くるしいしぐさに癒され、幸せを感じていることと思います。
SNSを中心に有名になったアイドル犬は、散歩をしても
「〇〇ちゃんだ!」
と一般の方から声をかけられる、いわば有名犬。
家族だけでなく、世界中の人からかわいがってもらえるという点では幸せなワンちゃんかもしれません。
ですが、人気が過熱するあまり、常にかわいい写真を撮るために座らせられ常にアイドルとしての姿を保たなければならいないワンちゃんも。
果たしてこれは犬にとっての幸せなのでしょうか。
人間のアイドルだって、常に週刊誌に追われていたらストレスを感じることでしょう。
ある国においては、犬の毛を人工的に染め、パンダのような模様を描いたり、犬ではありえないピンク色になっていたり、有名なキャラクターのように描かれたりする犬もいました。
一部からはこれは虐待にあたる、といった意見も出ており、人気が出るあまり過熱しすぎる飼い主がいることも現実です。
アイドル犬は、人間のアイドルよりも近づきやすく、身近に感じることができる存在です。
我が家の愛犬は自由気ままに過ごしています。
寝たいときに寝て、遊びたいときに遊び、なでてほしい時に甘える。
これが飼い犬としての自然な姿で、人間のアイドルでいうプライベートです。
もちろん、アイドル犬だって家に帰ればプライベートな飼い犬になるのだと思いますが、一歩外に出たらアイドル犬として過ごします。
もしもこれがワンちゃんにとってストレスになっていたら。
知らない人からたくさん声をかけられて、カメラを向けられる。
それが本当に犬にとっての幸せなのか、人間のエゴか。
アイドル犬としての輝かしい生活の裏には、やはり大変さ闇の部分があるように感じます。
自分の犬がアイドル犬として人気が出れば、それはうれしいでしょう。
犬を擬人化しすぎてしまい、人間のエゴの押し付けになっているアイドル犬も多いような気がしています。
<4.どんな犬もアイドル犬になれる>
マイナスな意見がある一方、シンデレラストーリーを持つアイドル犬もいるようです。
日本ではなく海外に住むアイドル犬。
Instagramで爆発的に人気が出ており、フォロワー数も日に日に増えているワンちゃん。
種類は雑種で、この子はもともと野良犬だったといいます。
飼い主さんに保護されたときは、体はやせ細っており、毛の手入れももちろんされていなかったそう。
飼い主さんの手によって、栄養管理もされて適切な体重を取り戻し、毛もきれいに整えてもらったこの野良犬の姿は見違えるほどです。
飼い主さんとともにいろいろなところに出かけたり、家で甘えたりするナチュラルな姿や、保護されたときとは見違えるような幸せそうな表情にみんな虜となったのです。
こうしてみると、アイドル犬と呼ばれる犬の愛らしい表情は、飼い主がいかに大きな愛情を注ぐかによって変わってくるように思います。
いくらかわいい、愛玩犬と呼ばれる犬種の犬であっても、飼い主から注がれる愛情が乏しければ、表情や行動にすべて反映されてしまいます。
この視点から考えると、犬を飼っている愛犬家にとってのアイドル犬は、実はみんな自分の愛犬なのです。
それが元野良犬でも、保護犬でも、柴犬でもトイプードルでも。
犬種や性別、育った環境等は全く関係ないのです。
<5.増えてほしいアイドル犬>
前述したように、一見ボロボロで表情も暗く、汚くて臭い犬でも飼い主の愛情があれば、アイドル犬にだってなれるんです。
かわいいかわいい、アイドル犬がいる一方、忘れてはいけないのはコンクリートで囲まれた冷たい犬舎で過ごす保護犬もいるということ。
我が家で引き取ってきた保護犬も来た当初は撫でることさえためらうような感じでした。
それが人間が愛情を注ぎ、手入れをして生活を共にすることで、もう我が家のアイドルに。
今もなお、飼い主の迎えを待っている保護犬たちや、新しい家族を待っている子たち。
みんなが素敵な家族に恵まれて、大きな愛情をもらう日が来ることを願わずにはいられません。
そうしてこの世界にアイドル犬がもっともっと増えたらいいなと思います。
自分が手をかけた犬の表情がどんどん明るくなったり、自分に信頼を寄せ始めたことを実感したときの喜びは何にも変えることができません。
そして、そのような愛犬は人間からの愛情をうけ、まるで水を得た魚のように吸収し愛くるしい姿で返してくれます。
このようなSNSの世界で注目を浴びるアイドル犬だけではなく、一般の家庭で受けるべき愛情を受けた結果輝く、真のアイドル犬が増えるということ。
これは、ペット業界に潜む闇を解消することでもあるのです。
人間が見て喜んで満足するだけのアイドル犬ではなく、犬も人間もお互いの存在を幸せだと感じることができればそれに越したことはないのです。
人間のエゴでかわいい表情でかわいい写真を撮られるのではなく、お互いの信頼関係が素敵な表情を生み出している。
その表情に魅了される世界中の人々に一度は考えてほしいことです。
ご購読ありがとうございました。
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