大型犬と小型犬の違いとは
犬には超大型犬から超小型犬まで様々なサイズの犬種が存在します。
「小さくて可愛いから」
「大きくて頼りになるから」
等、サイズだけで犬を飼う事を決めてしまうと後悔してしまうかもしれません。
犬は大きさによって飼い方が180度変わってしまうのです。
今回はその中でも人気の高い小型犬と大型犬の飼い方の違いについてお話致します。
【1.サイズの違い】
比較して一番に分かる違いは勿論大きさです。
大きさによって生じる問題は第一に飼育スペースです。
特に最近は室内で飼う方が増えていますので、飼う際にスペースを気にしなくていい小型犬を魅力的に感じる方は多いのではないでしょうか。
しかし小型犬はサイズが小さい分部屋にあるものが全て障害物になり得ます。
小型犬の目線に立ってみて部屋に危険な物がないかチェックが必要です。
大型犬は体が大きい分、存在感があり安心感を与えてくれます。
大型犬が欲しい、と考えている人は一番魅力に感じている事なのではないでしょうか。
しかし体が大きい分スペースが必要になりますので、狭い空間での飼育には向いていません。
しっかり散歩させてあげれば解決するかもしれませんが、窮屈な環境にストレスを感じてしまう場合もあります。
【2.運動量】
小型犬と大型犬の大きな違いの一つで、犬にとって散歩は最も重要な事と言っても過言ではありません。
まず大抵の小型犬は多量の運動を必要としません。
日常の刺激として散歩は必須ですが、大体20分程すれば満足する子が多いです。
むしろ散歩があまり好きではなく、途中で疲れたと座り込んでしまい飼い主に抱っこされている…
そんな状況を一度は見た事があるのではないでしょうか。
散歩よりも飼い主と室内や庭でボール遊びが出来れば満足しちゃう、なんて事もあります。
逆に大型犬の運動量は小型犬の比になりません。
大型犬は大きければ大きいほど筋肉量が多く、運動が必要となります。
一日二度は必ず1時間以上の散歩を必要とします。
シェパードやシベリアンハスキーなど、特に頭の良い子になれば単純な散歩だけでは満足出来ないため、知育玩具で遊ばせたりドッグランでフリスビーやボール遊びをして思いっきり運動させてあげなければなりません。
まず大型犬を飼いたいと考えている人は、それだけの運動をさせてあげられる場所と時間があるのかどうかを考えてから、お迎えを検討された方が良いかもしれません。
愛犬と一緒に思いっきり運動したい、アウトドアを楽しみたい、と言う方には大型犬はお勧めです。
【3.食費、医療費等の費用】
飼う際にかかる費用ですが、これも大きさによって大きく異なります。
まず、食事量です。
小型犬は体が小さい分食べる量も少なく、大型犬は体が大きい分食べる量も多いです。
一度大型犬用のフードと小型犬用のフードの袋や粒を見比べて頂くと一目瞭然なのですが、大きさがまったく違います。
小型犬用のフードは猫用フードとあまりサイズが変わらないくらい小さく、それだけ値段も月々にかかる食費も変わってきます。
そして食費と同じくらい重要な問題となってくるのが医療費です。
犬を飼う場合年に何度か予防接種や健康診断、体調不良などで動物病院に行かなければなりません。
その際にかかるワクチンや、事故による手術、去勢等も犬のサイズによって必要な薬の量や治療範囲が変わるので費用が異なります。
食費も医療費も犬を飼う際に最も重要な出費になります。
他にも玩具やおやつ、ケージや首輪等、サイズによって値段は全て異なりますので自分の経済状況できちんと安心して犬を養っていけるのかどうか、それがワンちゃんと自分の幸せに繋がります。
【4.移動】
愛犬と一緒にお出かけしたい、少し遠出をしてみたい。
せっかくワンちゃんを家族にお迎えしたなら、色んなところに行って楽しい思い出をたくさん作りたいですよね。
そこで問題になるのが移動手段なのですが、これも犬のサイズによって必要な物が変わってきます。
遠出する場合、交通手段として電車や新幹線がありますが、これらは結論から申し上げますと小型犬はOKで大型犬はNGです。
ただし、小型犬もカートを含め10キロまでと規定がありますので、必ずしも小型犬は全てOKと言う訳ではありません。
鉄道会社によって規定は様々ですが、犬の体重とケージどちらも足して10キロまで、体が全て入るケージであること等、マナーを守れば手回り品扱いとして一緒に乗車出来ます。
しかし大型犬の場合は違います。
体重も体も大きい為、盲導犬や介助犬など重要な役割を持った犬以外は一緒に乗車出来ません。
外を歩くだけなら大型犬用のカートもありますが、それだけでは一緒に遠出は出来ませんよね。
その為大型犬を飼う際にはどうしても自動車が必要となります。
お出かけも勿論ですが、近くに動物病院がない、体が不自由になってしまった、という状況
もありますので車は大型犬にとっては必需品となります。
【5.手入れ】
犬は犬種によって長毛種と短毛種に分かれます。
どちらも毎日のブラッシング等、お手入れは衛生的にとても大切です。
「ブラッシング以外に細目な手入れが必要なのは長毛種だけなのでは」
と思われる方は多いと思います。
犬は長毛種、短毛種どちらにも犬種によって
「毛が抜けにくい子」
と
「毛が良く抜ける子」
がいます。
そして、
「毛が抜けにくい子」
というのはトリミングが必要となります。
毛が抜けにくいというのは飼う際に魅力に感じる方は多いです。
毛が抜けないと言うことはそのまま抜けることがないまま伸び続けてしまったり、毛玉になってしまう、最悪の場合皮膚のトラブルの原因になる、といった問題が起こってしまいます。
中でも小型犬で最も人気のあるトイプードルは毎月のトリミングが必要となります。
他にも小型犬には
「肛門腺絞り」
という処理が必要になる子が多いです。
肛門付近には肛門腺というマーキングの際に臭いの元となる分泌液を溜める場所があります。
そしてその分泌液は通常排泄の際に一緒に排出されるのですが、自力で排出出来ない子が小型犬には多いのです。
肛門腺がうまく排出出来ないまま放置すると、肛門腺が炎症を起こしてしまいトラブルの原因になります。
その為トリミングと一緒に肛門腺絞りをサロンで行ってもらうか、または自身でのお世話が必要になってきます。
逆に大型犬でトリミングをしている人は少なく、毎日のブラッシングで十分という場合が多いです。
肛門腺も、大抵の大型犬は排泄の際に一緒に排出出来る子が多いので、その点の心配も少ないです。
しかし、トリミングが必要ないという事はその分毛が生え変わるという事なので、換毛期になればよく抜けます。
体が大きい分抜ける量も多いので、トリミングに行かないから大丈夫、とは一概にも言えませんね。
小型犬も大型犬もお手入れの仕方はそれぞれ違って、それぞれの大変さがあります。
【6.寿命】
小型犬の平均寿命は12〜15年、大型犬の平均寿命は10〜13年くらいと言われています。
そして大型犬の寿命は、体が大きければ大きいほど短命の傾向があります。
原因としては、大型犬の方が小型犬と比べると成長速度が速く、大型犬は体のサイズの割に臓器も小さく、その為老化スピードが速いと言われています。
セントバーナード程の超大型犬になると、8歳以降の時間は神様の贈り物、とさえ言われています。
【7.老後のお世話】
老後のお世話については、犬を飼う際にまず一番に考えてほしい事です。
「子犬を飼うのにもう老後のことを考えるのか」
と思われるかもしれませんが、これが最も重要なのです。
まず、今からお迎えするワンちゃんが老犬になる時に、自分は何歳になっているのか、その時自分にはその子のお世話を満足にしてあげられるのだろうか、という事を考えてほしいのです。
これは大型犬を飼う際に最もデメリットになり、小型犬を飼う際にはメリットになります。
その理由は勿論体の大きさです。
老犬になり足が不自由になって動けなくなってしまう、そうなってしまうと大型犬を持ち上げたり移動させるのは簡単ではありません。
女性や高齢の方ではまず無理でしょう。
その点小型犬は女性でも持ち上げる事が出来るので、移動やお散歩も出来ます。
【8.まとめ】
いかがだったでしょうか。
全文で見るとやはり飼いやすいのは費用やサイズ的にも小型犬だと思います。
人気の犬種ランキング等を見ても上位は小型犬が選ばれる事も多いですよね。
小さい体で一生懸命走り回って、大きな目で精一杯の愛情を向けてくれる様はとても愛らしいです。
大型犬も大きな体で一緒に寄り添って安心感を与えてくれます。
嬉しそうに一緒に体を動かしてくれて、飼い主といることが最も幸せだと体温や表情で伝えてくれます。
小型犬も大型犬も大きな違いはありますが、どちらも違った良さがあり、どちらも最高の家族になってくれます。
ただし、自分がお迎えしたい子に適した環境であり心構えが出来ているのか、今からお迎えを考えている方にはそこを重点に検討して頂きたいです。
全ての準備が整って、愛犬を家族に迎えたいと思った時、素敵な出会いがあるかもしれませんね。
ご購読ありがとうございました。
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